これが僕のHIVとの生き方

2013年8月にエイズを発症したHIV患者の闘病記です。日々の生活と素直な気持ちを綴っています。

コロナワクチン摂取1回目-HIV患者の僕の場合

今日は午後に
コロナワクチン接種の一回目を受けた。

問診票を記入したのだが
病気の既往歴を記載する項目がある。
ここは何も記載しなかった。

倫理的にHIVだと記載すべきなのだが
地元かつ、小さな病院であった為
プライバシーへの保身から
記載しなかった。

自分のHIVウイルス量と
考えられるリスク。
プライバシーの観点。
現場でHIV患者の摂取の是非が
対応できないであろうとの予想。

必ずしも申告が必要であるか
判断しかねた為である。



打った1時間後に
謎の疲れが出てしまい
1時間程、仮眠をとった。

通常の注射とは異なり
僕の場合は痛みが酷く
今も肩の痛みがある。
合わせて両腕の筋肉痛がある。

謎。

2回目の副作用が
どう出るのか心配ではある。

今までの服薬での経験から
体調や副作用に
僕は敏感過ぎる。

なかなかHIV患者の場合の
ワクチン接種の副作用情報がないので
詳しく記載していくつもりである。

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通院と考えていた配慮の勘違い


「患者として安定しているのに
このコロナ禍で大病院に負担をかけて
本当に良いのだろうか?」

コロナウイルスの
新規感染者数が増加すると
病院の逼迫状況も合わせて
テレビで報道されるようになる。

このところのデルタ株の
蔓延状況下でもそうである。

今は自分が必要とする医療を求めるよりも
この時間を他の病気の患者に譲るべきでは?

しばらくは対応の悪い最寄りの病院へ転院し
HIV治療に不満を持ったとしても
我慢しなければならないのではないか?

自分の中で自問自答する。
通院日が近づくにつれて
この考えが強くなる。


昨日は内科の通院日であった。

いつものように採血をし
結果を待って診察。

特に特筆すべき内容もなく
血液検査結果もすぐには
改善できるものでもなく
前回と何ら変わりのない内容を過ごす。


『ところでワクチンは打った?』


診察が終盤になり
担当医が唐突に僕に投げかけた。



僕は中核拠点病院に通っており
ここは県内で軸となる病院である。

それゆえに県内のコロナ対応も
中心として治療にあたっている。
担当医はコロナの入院患者を
管理する頭となる立場であり
県内の病院に振り分けたり
逆に受け入れたり
一括して管理しているようである。

話を進めると
コロナ入院患者のほとんどは
ワクチン未摂取者であり
摂取していたとしても
一回だけの場合のようである。


『お願いだからワクチン打って』


強制はできないものの
迷うようであれば
打たない選択肢はない。
日々コロナ患者と接している立場から見て
ワクチンの効果は絶大であり
“お願いだから”
という言葉に尽きるのだそうな。



僕が今ひとつ
ワクチン摂取に踏み切れないのは
長期的な副作用があるのかどうかが
不明確な点である。

HIVを患っており
抗ウイルス薬を服薬している状況下で
安全性が確保されるのかも
合わせて心配なのである。

とはいえコロナを患ってしまうと
後遺症の懸念もあり
場合によっては
重症化し死亡する恐れもある。

最善を判断する材料が不足しており
接種するか否かを決断できず
ずるずると今日に至るのである。



病院の負担を考えるべきならば
ワクチン摂取をし
社会貢献すべきではないか?

保健所や、周囲の人々への負担も
注射を2回打つだけで
軽減できる可能性があるならば

ワクチンはむしろ
打つべきなのでは?

コロナ患者を対応している
医師の生の声を聞き
ワクチンへの迷いがなくなり
打つように予約をするつもりである。



なんとも困った時代になったものだ。

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たまたま僕は生きて、偶然に彼は死んだ

たまたま生きて
偶然死ぬ

それ以上も
以下もない

ただそれだけ



もうすっかり初夏の雰囲気であり
今日も例外ではなく
日中は暑い。

この頃の僕は
会社の裏手にある木の下で
昼食を摂っている。

春先から、秋口まで
こうやって過ごすのが
日課なのだ。

すぐ横手には山がそびえ
その反対側には川があり
その間に昔ながらの古民家が
ぽつりぽつりと立ち並ぶ。

鳥のさえずりが聞こえ
どことなく気持ちいい風が吹く。

昼食後は横になって
ただただ自然に体を預ける。



昨日はお通夜に行った。

地元の同級生が亡くなった。

3日前に、僕に連絡が回ってきた時に
ある程度の詳細を聞いた。

どうやら日中のゴルフを終え
夜に打ち上げがてら酒を飲み
深夜に車に轢かれたようである。

彼はどういう訳か
深夜2時に道路に座っており
そこに車が通り
彼は、はねられたらしい。

後続車もあったようで
おそらく即死であったろう。

道路を横切ろうとした際に
彼の身に“偶然”何かが起こり
うずくまるような、座り込むような
体制になったに違いない。

彼は身を投げるような人では
絶対にないのだから。

何もなかったかのような
陽気な日々の中に
僕は彼に対しての
どことない感情を抱えている。

『どうにかならなかったのか?』



彼の死を考えていると
自分の死を考え始めた。

自分が実感する死は
エイズを発症し急遽入院した時の
記憶である。

肺が炎症し
下がっては上がりを繰り返す発熱。

次第に体力が削られ
ベット上で体を起こす行為すら
できなくなってしまった。

炎症を抑える為に
ステロイド剤を投薬量の最大量を
服薬し

僕は“たまたま”持ち堪え
それを境に回復に至った。



彼の死と、僕の死
一体何が違うのだろうか?



たまたま僕は生きて
偶然に彼は死んだ。

それ以上もなく以下もない。

たまたまと、偶然に。
ただそれだけ。




彼はもう遺灰になってしまった。

想いの大きさとは裏腹に
ただの壺に入るだけの容量である。

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プロフィール

ぽけんた

1982年生まれ、九州在住、HIV患者。2013年8月15日に〈いきなりエイズ〉を発症。闘病の記録と正直な気持ちを綴っています。見て頂いた方のお役に立てれば良いです。

服薬
【抗ウイルス薬】
ビクタルビ
【その他】
ネリゾナ軟膏
〔2023年1月現在〕
検査数値 (CD4・RNA)

〈2018〉
450ぐらい・検出値以下 (2/7)
〈2016〉
450ぐらい・29(5/25)
〈2015〉
369・検出値以下(6/8)
〈2014〉
269?・32(4/7)
169・20(3/10)
121・20(2/10)
〈2013〉
110ぐらい・74(12/16)
97・? (11/25)
81・460 (10/7)
155・4000 (9/13)
30・430000 (9/5)
48・? (8/15)
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