これが僕のHIVとの生き方

2013年8月にエイズを発症したHIV患者の闘病記です。日々の生活と素直な気持ちを綴っています。

2014年06月

疲れと頭痛と無駄なイライラ

気持ちの余裕がない。

夕方家に帰ると
強くそう思う。

夕方以降は頭がいっぱいになり
きまって頭痛がする。

一日の仕事の疲れと
朝から無理矢理体調を上げる
その疲れもあるのだろう。

些細なもので無性にイライラとする。
気分転換をしても
またイライラとする。
そして気分転換をする繰り返しだ。

火にかけた鍋が沸騰して
放置されていた。

自炊しようとしていたところ
それが邪魔でもあった。

たったそれだけなのに
イライラとしてしまい
強くガスコンロのスイッチを押し
僕は火を消した。



『火を消してくれたの?ありがとう』



戻った時に火が消えた鍋を見て
兄の嫁が僕にそう言った。

まさか感謝されるとは
思ってもいなかった。
“ありがとう”の一言が
僕を我に返した。

何てバカだったのだろうか。
くだらないこのイライラは。



まだ余裕がない。

今日はマズかった点はないのだが
頭痛と疲れがあると
自分を見失ってしまう。

それだけ一生懸命に今日を過ごし
今日一日が終わる。
達成感を感じて終らなければ
ならないはずなのだが。

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彼女の笑顔と価値観

価値観を考えた。

正しく言うと
価値観の豊富さに驚いた
経験を思い出した。
懐かしい経験と共に。

どんな立場の人であれ
その人が歩んでいる道がある。
それは受け入れて考えていかねば
ならないのではないか。



今日職務に復帰される方がいた。
妊婦の方であった。
タイムカードを打刻して
帰りの駐車場までの距離を
僕達は短い会話を交わした。

「男の子ですか?」

何気ない僕の一言に
彼女は答えた。

『来月になればわかるんですよ。
男でも女でもどちらでも良いです』

彼女は純粋な笑顔で返した。
やっと子供に恵まれ
母になろうとする笑顔だ。

その強い笑顔が
僕の心を打った。

帰りの車内で
僕は彼女の笑顔を思い出した。

いくら彼女が母親に変わる
強い表情を持ち合わせても
仕事”量”が評価される現場では
彼女は歓迎されない。
露骨な現場を見てしまった。

とても悲しい現実だ。



想ううちに
価値観を考え
HIVを自問自答した。

HIVは様々な立場の方がいる。
同性愛者。異性愛者。両性愛者。
当事者がいれば、支える家族がいる。
他人が支えている場合もある。
結婚している方もいれば
子供がいる方もいるかもしれない。
父親、もしくは母親になろうと
する方もいる。

当事者の僕が驚く程
様々なケースがあって
それぞれの立場がある。

HIVを患っていると
それ故に否定される機会がある。
命さえも。

一般人が考える道を歩いていない私達は
そんなに否定されるべきものだろうか。



極論を言うと
どんな立場の人であっても
受け入れて考えるべきだと
僕は考える。

今日は彼女の強い笑顔に
そのような”価値観”を考えている。

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喜びと哀しみが共存する生活

新しい一日が始まった。

喜びの反面
哀しみがある生活。

それでも喜びがあって
だけれでも哀しみがある

相反する二つが
共存する生活。



兄の嫁が帰って来た。

実家で出産して
子供達と赤ちゃんと一緒に
今日帰って来たのだ。

赤ちゃんがいる生活が
僕は怖くて仕方なかった。

喜びと相反する哀しみが
共存する生活が始まるからだ。

32年前、僕も同じ様に
家族に迎えられたはずだ。

両親がいて
祖父母がいて
兄弟がいる。

純粋無垢な赤ちゃんと同様に
家族も純粋な喜びに包まれたはずだ。

32年前の赤ちゃんから
母はHIVだと伝えられたのだから
どんなに悲しかっただろうか。

それを考えると
赤ちゃんを直視できない。

だが赤ちゃんを見つめる。
赤ちゃんは無垢な声で泣いて
僕をただただ見つめる。
何を考えるでもなく
ただ一生懸命に僕を見るのだ。

HIVに感染している。
それゆえ複雑な想いがある。

それでも喜びがある。

だけれども哀しみがある。

だが喜びがある。

しかし哀しみがある。



兄夫婦に出産祝いを買っておいた。
そして今日手渡した。

実は両親にも
プレゼントを買った。
同じく渡した。

両親に何かを渡したいというのでなく
そうすべきだと判断したからだ。
買った理由はいくつかある。
いくつか。

生んでくれたのにも関わらず
同性愛者でありHIVにかかってしまった
懺悔の裏返しも理由の一つだ。

大きい喜びの中で
出産祝いをサプライズで渡す。
膨らむ喜びの中でどうしても
両親に対していたたまれない
気持ちが僕にはある。

その結果両親に対して
何かを渡さざる得なかった。

僕からの品を受け取った母は
意外にも大変喜んだ。
使わずに大事にとっておこうと
また箱にしまっていた。

“懺悔”や”哀しみ”
自分の内側の問題は
僕の箱にしまっておいても
よいのかもしれない。



この内容を書くと
色々言う人がいるのは
わかりきっている。

HIVを患っていたとしても
ほとんどその人と変わらない
人間であるからだ。

人が思うところを
僕も当然のように思う。

それでも一文字一文字を
今日は綴った。
どうしてもこの気持ちを
書き残しておきたかったのだ。

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HIVであって障がい者でもある

HIVであって
障がい者でもある。

“この自分が”

HIV患者や障がい者を
客観的に見つめる時がある。

自分があのHIVであるのが
にわかに信じられない時が
実は今の僕にはあったりする。



6月も終ろうとする今日。
一月からの半年間を振り返った。
今年の振り返りだ。

家族それぞれの立場は変わった。
変わった結果、家族の形も変わった。

その中で僕はどう変わったか。

頭と心の距離が縮んだのだと思う。
療養から社会に出るようになった。
一日一日が精一杯で
体力の余裕がないのだけれども
それでも充実している。

これからの自分を
具体的に夢見られるようになった。

HIVは確かに大きい問題である。
だがHIV”を”考えるから
HIV”も”考えると自分の中での
HIVの捉え方が少し変わった。

その結果、良くも悪くも
HIVを客観的に見るように
なったのだろう。



通院の度に診察室で
自分の置かれた環境の大きさを
改めて実感する。

今迄もずっとそうだったし
これからもそれは変わらないのだろう。
通院と通院の間の期間に
HIVをどう捉え生活するかは
僕としては大きい。

その上でHIV”を”から”も”に
変われた今は良かったのだと思う。

明日から家族の形が変わる。

HIV”も”考えて
そこに発生する問題”も”考え
家族”も”考える。

これからはどんな環境におかれても
問題を客観的に捉え
進めるような気が僕はしている。

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今日も調子が今ひとつ良くない

ストレス?
疲れ? 

また頭痛。
昼前から頭痛がし出す。

頭痛だけで済めばよいのだが
気分が悪くなり目眩がし出す。

今日は仕事が休み。
その為、昼過ぎに横になって
安静に過ごした。

仮眠をして体調が改善したものの
また夜に頭が重くなり
そしてまた頭痛。

なんだろうか。



こう調子が悪い日が続くと
体調を整えながら仕事をするのは
安易ではないのだと実感する。

相変わらず体は痒い。
息苦しさや胸の痛みがあるし
服薬後は調子が悪いに加え
抗ウイルス薬を服薬後は
頭がぼーっと疲れが出る。

ちょっとずつ副作用が変わる。
良くなっても悪くなっても
それを受け止めてやっていくしかない。

今は一日が一杯一杯だとしても
何とか過ごせているのだから
けっして悪い循環ではないのだろう。

こればかりは仕方ないか。

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プロフィール

ぽけんた

1982年生まれ、九州在住、HIV患者。2013年8月15日に〈いきなりエイズ〉を発症。闘病の記録と正直な気持ちを綴っています。見て頂いた方のお役に立てれば良いです。

服薬
【抗ウイルス薬】
ビクタルビ
【その他】
ネリゾナ軟膏
〔2023年1月現在〕
検査数値 (CD4・RNA)

〈2018〉
450ぐらい・検出値以下 (2/7)
〈2016〉
450ぐらい・29(5/25)
〈2015〉
369・検出値以下(6/8)
〈2014〉
269?・32(4/7)
169・20(3/10)
121・20(2/10)
〈2013〉
110ぐらい・74(12/16)
97・? (11/25)
81・460 (10/7)
155・4000 (9/13)
30・430000 (9/5)
48・? (8/15)
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