これが僕のHIVとの生き方

2013年8月にエイズを発症したHIV患者の闘病記です。日々の生活と素直な気持ちを綴っています。

2014年09月

落ち着かない家族という立場

そわそわと自分でも驚く程
僕は落ち着いていない。
時間が過ぎ去るのを
今はただ待つしか無い。

父の検査結果を待つ時間。

もうある程度の結果は
出ているはずだ。
あとは具体的な内容を
こちらが説明を受けて
そこから考える。

時間。

刻々と過ぎる。



自分の経験を思い出す。

病院には告知する為の部屋があり
入院初日に医師から告げられた。

後日またその部屋で
スクリーニング検査後の
確定を告げられた。

そして僕はその部屋で
母に告げたのである。

退院して一年。
時間をかけて心で理解をし
僕は一歩一歩を進んできた。



病気は変わるが
その苦労の一部を知っている。
だからこそ僕は落ち着かないのだ。

患者本人と家族。
家族側に僕は立っている。
逆の立場の患者本人の場合を
知っているからこそ
自分でも驚く程落ち着かない。

今日は特に落ち着かない。

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今後を決められないもどかしさ

今後の予定を考える。

考えて”いた”という表現が
近いのかもしれない。

予定とは検査入院後の
インターフェロン治療だ。

いつ検査入院して
いつから治療を開始するか。



"年末休みを利用し
入院時期をかぶらせる。
会社への迷惑の負担を考えると
その方法も方法の一つではないか”

開始時期を考える一つに
年末の利用を僕は考えていた。

仕事での経験を積む前に
すべき治療を済ませた方が
今後の仕事に有利ではないか。

治療に専念する期間で
仕事が振り出しに戻るのであれば
時期は早い方が良い。

そうすると年末か
年度末あたりなのか。

僕はそう考えてはいるものの
これは誰にも言っていない。
医師には焦っているように僕が見えるのは
僕の中にこの考えがあるからだ。

次回の診察で
エコー検査をする予定だ。
肝臓の繊維の硬さを計る。

焦らなくても良いはずだが
検査結果によっては
治療を急ぐ必要性が示される。



父が入院した。

父の検査結果はまだだが
ある程度の重い内容になる。
場合によっては…。

二つの結果を予想している。
重い結果、それよりも軽い結果。

どちらの結果であっても
僕の治療開始時期を
デリケートに決める。

もしも父が重い結果であれば。

母の心理負担を考える。
家族で二人も入院となれば
心理負担が大きい。

それでも僕の治療を
優先せねばならないとすると。
それでも家族での共有できる時間を
大切にしたいとすると。
それでも母の心理負担を
軽減したいとすると。

それでも
それでも
それでも…

少し時間が経過して
父の検査結果と
僕の検査結果が
明確にならないと
全てをはっきり提示できない。

何もわからず決められない
今、この時間が
僕にはもどかしい。

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薬剤の変更っちゃ変更

"プリジスタナイーブ錠800mg”

薬剤が変更になった。
これまでは400mgを
2剤服薬していたのだが
倍の800mgになり1剤になった。

薬剤変更と言っても
変更になったっちゃなった
なってないちゃなってない
ようなものだ。

存在は知っていたのだが
2剤服薬しても1剤服薬しても
一口は一口に変わりはない。
この大きさも慣れると
他の薬と全部まとめて一口だ。

単純に大きくなるのだろうと
予想しながらパッケージを開けた。
興味津々に中をのぞくと
色が濃くなっていた。
ぎゅっと詰まった感じなのかな。


『今までと同様に
2錠飲まない様に注意してね』


帰り際に看護婦さんに言われた。
うかうかしていると十分にありゆる。

残り分と予備分を全部消費してから
400mgから800mgに
切り替えようと考えている。
間違ってしまうと
今まででいう4錠飲んでいる
ようなものだからな。

その方が確実で
間違いはないだろう。



去年発売された薬剤。
真新しい薬剤をまさか自分が
服薬する立場になろうなんて。

これから当たり前の日常になるのだろう。
客観的に見つめると非日常的な
不思議な感じがしてならない。

驚くような出来事が起きても
次第にそれが日常になり
“普通”になっていく。

あれだけ現実を見つめられずに
恐怖心から検査を拒んでいたHIV。

HIVがある生活が
いつもの僕の日常であり
ない生活がむしろ考えられない。
まぁ、なくならないのだけれども。

変化しながらゆっくりと時が過ぎる。
明日が今日になり
今日が昨日になり
昨日が一昨日になる。

何かが起きて
何かが変わっていくのだろう。

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通院と気持ちのある時に

決められないものがある。

決めようとしても
様々な要因が重なり決まらない。
そこにさらに要因が重なる。

その結果
何もかもが決められず
今後の見通しが立たない。

それでも僕は少しづつ
調整を計ろうとしている。

自分が頑張って治療している姿が
僕には見えるからだ。

気持ちがあるからだ。



今日は通院日。

内科から循環器の専門医を紹介してもらい
初診にて肝炎の相談を行った。

初診で何を伝えるか。伝えるべきか。
これまでの経緯を伝え終ると
僕は自分の最もな希望を伝えるようにした。

週に一度仕事を休んで通院する。
無理を頼んで午後診察をする。
午前診察をして午後に仕事をする。
肝炎の治療だけ地元の病院で受ける。
全ての治療を地元の病院に移す。

いくつか考える方法。
その方法の中で
僕は自分の本来の希望が薄れる。
だが本来の希望を伝えようと
自分の気持ちを僕は医師へ伝えた。


『やる気のある時に治療する』


医師は僕に言った。

僕の年齢を考えると
進行具合と現状を想定すると
恐らくまた時間があるはずだ。

焦る必要はないのだが
僕が向き合って治療を行いたい
気持ちが伝わったのか
医師が僕にそう言った。

簡単なその言葉が印象的で
自分が治療に向かいたい気持ちを
僕は再確認した。

いつからどこでどう治療するか。
検査をしていない現状からは
何も決まらない。

それが決まらないことには
HIV治療をどこでどう受けるかも
同じく決まらない。

内科も循環器も
どちらも今後を決める為に
現状の確認の為に採血を行った。

次回再度検査を行い
今後を決める予定だ。

何があっても見つめようと思う。
治療が辛くても頑張っていくつもりだ。
職場の風当たりが強くても
それは仕方のない過程として
諦めようと覚悟している。

進める気持ちがあるから
僕は進む決断をしている。



心理カウンセラーの問題や父の問題。
職場の兼ね合いもあって
何も決められない上に
決められない状況が重なる。

もどかしさもあるが
ゆっくりと調整しながら
考える内容もある。
仕方ない。こればかりは。

今日はここら辺にしとこう。

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闘病した人しかわからないもの

経験してきた者と
そうではない者。

わかるようで
わからない部分があった。

自分が当たり前だと感じる部分が
兄には伝わらないもどかしさがあった。



父の件で兄と話した。

もしも父が大病だった場合に
家族が動揺してはいられない。
家族としての役割を果たす為
兄弟で腹を割った話をしたかったのだ。

頭と心は違う。
いくら頭で理解をしても
心で受け入れるのは違う。

もういつ死んでも良いと
人生を振り返りながら
抗がん剤治療でそれでも
生に執着するようなものだ。

時間しか解決できない時に
目の前の壁が迫り来るのは残酷だ。
悩む抜く時間を一日でも
用意できるのであれば
より深く理解できるのではないか。

これからの時の刻み方を話したい僕に対し
どうしても兄は父が今まで
病院に行かなかった状況や
僕の肺炎の話を同じようなものだと出す。

いくら過去の是非を判断しても
過去は過去だ。変わらない。
病気は直面しないとわからないものが多い。
だからこそ未来を考える必要がある。

同じ目標を考えるのだが
どうしても理解されないものが
明確にされた時間であった。



よく相手に伝わらない。
そのもどかしさを抱え
僕が過ごしたこの一年間の重みを
改めて感じた。

肺炎を境に始まった闘病。
あの当時は考える余裕も猶予も
迫り来る状況になかったっけ。

ゼロからはじまった闘病経験を
少しづつ積み重ねてきた。
積み重ねたものは僕が想像するよりも
実際は大きいのかもしれない。

それを踏まえて行動する日が
もしかすると来るかもしれない。
こんなに早く来るなんて。

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プロフィール

ぽけんた

1982年生まれ、九州在住、HIV患者。2013年8月15日に〈いきなりエイズ〉を発症。闘病の記録と正直な気持ちを綴っています。見て頂いた方のお役に立てれば良いです。

服薬
【抗ウイルス薬】
ビクタルビ
【その他】
ネリゾナ軟膏
〔2023年1月現在〕
検査数値 (CD4・RNA)

〈2018〉
450ぐらい・検出値以下 (2/7)
〈2016〉
450ぐらい・29(5/25)
〈2015〉
369・検出値以下(6/8)
〈2014〉
269?・32(4/7)
169・20(3/10)
121・20(2/10)
〈2013〉
110ぐらい・74(12/16)
97・? (11/25)
81・460 (10/7)
155・4000 (9/13)
30・430000 (9/5)
48・? (8/15)
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