これが僕のHIVとの生き方

2013年8月にエイズを発症したHIV患者の闘病記です。日々の生活と素直な気持ちを綴っています。

2016年08月

発熱で調子が悪い

今日は調子が悪い。

帰宅して熱っぽいと
体温を測ったら38.2℃。

午前中感覚が変だと感じたが
体調自体が悪かったんだな。

鎮痛剤はたんまりとあるから
解熱は出来る。
だましだまししばらくは
生活出来るだろうけど。

明日は鎮痛剤で
無理を押そうか。

悪くなった場合に
最寄りの病院へ黙って診てもらうか
カルテが残っている
地元の大病院へ行こうか。

悩んで考える必要が出るから
鎮痛剤で解熱するうちに
回復に転じれば良いのだが。

仕事は欠勤した場合に
埋め合わせしてくれる代理はいないし
具合悪いと弱音を吐ける
家族もいないし。

一人で考えて結論出すのは
こういう時は疲れちゃうな。

今日はもう寝よう。

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四年目としてHIVをどう考えているか

今日からHIVウイルスと
4年目の付き合い。

4年目。5年目。
さらには10年目。

当時は
目の前の現実を向い合うので
精一杯であった。

なんとか向かい合わんとする
合間の余裕に
遠い未来を
想像していたっけな。

今、僕は
HIVをどう見て
どう感じているか。



2013年8月15日。
僕はHIVを告知された。

外来診察の処置室で
起き上がれない程
衰弱していた。

ベットに横たわる僕に向かって
担当医は”HIVの可能性がある”と告げた。

自分が踏みしめていた地面が
告知を境に天井になるような
気持ちであった。

しかしながら
心理的なショックはなかった。
不思議なもので
不明確から明確に変わった
安堵感があった。

告知の日の状況を
未だに鮮明に僕は覚えている。

HIVウイルスが血中に入り
骨髄や脳の奥まで入りこむように

HIVである事実も
自分の心の奥に入りこみ
溶けて馴染むのだと
当時はよく想像していた。

既成事実はわかっても
年を重ねてHIVウイルスと付き合う
患者本人の気持ちは
思考を凝らしても
わからなかったから。



告知から三年が過ぎた。

HIV感染したのが不幸とは感じない。

医療制度のおかげで
生活は続けられる。
また、進歩した治療により
副作用もなんとか
乗り越えられる。

山の頂上が
人生の最終地点とするならば
Aを通るか、Bを通るか
なのだと思う。

HIV感染をするか
ただしないかぐらいだと。

HIVウイルスに感染したところで
僕は僕に変わらない。

他人は勝手な判断をしているだけで
僕の尊厳は以前と同じであるからだ。

HIV感染者差別があったとしても
周囲が事実に目を背けているだけだ。
目の前に増殖するHIVウイルスに。

HIV感染はただの
人生の過程に過ぎない。

感染が終わりではなく
告知からも人生は続き
どこかへ向かっていくのだ。



衣食住。

健常者が当たり前のものと
捉えるように
HIVウイルスと付き合うのは
僕にとって当たり前である。
服薬も、副作用も、通院も
何気ない生活の一部である。

三年も過ぎると
健常者であった時の感覚なんて
すっかり忘れる。

口の中で角ばった飴が
徐々に角がとれて丸くなり
最後には溶けてなくなるように

HIV感染者としての
既成事実もまた
自分の中に溶けてしまう。

HIV患者とか障がい者と
言われると
あぁ、そうだっけと
改めて我にかえる。

どこに属そうとも
自分は自分には
変わりはないからだ。

自我も、意識も、尊厳も。


HIVに感染した結果
年月を重ねるとAIDSを発症する。

どれだけ医療が進歩しても
発症した結果亡くなる方が
いるのは事実だ。

死亡する可能性の反面
多くの患者が生きながらえるのも
事実であり

僕のように年月を重ねると
HIVと生きるのが当たり前だと
生活を送り続けるのも
また事実だ。

AIDS発症の結果
命を落とすのは馬鹿馬鹿しい。

治療が進歩して
生きながらえる可能性が大きいのに。

たかがミクロのウイルスの為に
無限に広がる自分の命を
捨てる必要はないのでは?

検査が必要だと思う方は
検査をして欲しい。

HIV感染を知った後
どんなに苦悩があっても
いつかは早期発見できた自分に
感謝する日が必ず来るから。

HIV感染者であっても
"あなた"は
"あなた"のままだ。
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薬剤変更を調べ考え続ける

薬剤変更に伴う内容を
ここのところずっと
僕は考えている。

自分で調べられる内容は
調べるのだが限界がある。

患者通しのつながりを
構築してこなかった。

調べられる内容の
限界を感じている。

孤独は時として実に非力だ。



現在
プリジスタナイーブ
ノービア
ツルバダ
の三錠をを1日一回服薬している。

PI + NNRTI の
DRV RTV + TDF/FTC
の組み合わせで

キードラッグに
DRV(ダルナビル)
“プリジスタナイーブ”

ブースターに
RTV(リトナビル)
“ノービア”

バックボーンドラッグに
TDF(テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩)
FTC(エムトリシタアビン)
“ツルバダ”

の内容である。

キードラッグに
<プロアテーゼ阻害剤>
バックボーンに
<非核酸系逆転写酵素阻害剤>

の組み合わせだ。



新薬だと
キードラッグが
エルビテグラビル
<インテグラーぜ阻害剤>

ブースターに
コビシスタット
となり

バックボーンの
<非核酸系逆転写酵素阻害剤>
は変わらないがその中の成分である
TDFがTAF
(テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)
に変わり

TAFはTDFの10分の1の量にも関わらず
従来のTDFと同様の効果を得られる。

投薬量が少ない為
従来懸念をされていた
骨密度や腎機能における
負担を軽減できる。



今引っかかっている内容は
キードラッグである
プロアテーゼ阻害剤を
インテグラーゼ阻害剤に
変えて良いものだろうか
との疑問だ。

ウイルスが薬剤耐性を得てなければ
再度、薬を戻したところで
効果を得られるようだが

問題は5月から微量に検出されている
HIV-RNA定量だろう。
29という低い数値ながら
50以上の数値が続くようならば
耐性を得ている可能性があり
”失敗”の判断が下る。

今後、数値を経緯を見つつ
必要であれば
薬剤耐性を調べる必要が出てくる。

経緯観察と検査をしなければ
このあたりは
なんとも言えないのだろう。



前回記した
ダルナビル/コビシスタット配合錠は
僕は勘違いしていた。
これは一錠で済むものではなく
結局バックボーンの
ツルバダと合わせる必要がある。

今の服薬状況と
さほど変わらない。
3錠が2錠に変わるだけで

TDFがTAFに変わるのを
僕は期待しているのだが
TDFは結局変わらない。

では
プロアテーゼ阻害剤と
非核酸系逆転写酵素阻害剤は
そのままで一錠にまとまる方法は
ないのだろうか?

同時期に治療開始した方は
ブログを辞めている場合が多く
なかなか情報を得られない。

プリジスタナイーブ
ノービア
ツルバダの組み合わせは

当時推奨されていた
組み合わせの一つであり
この組み合わせは
多いはずなのだけれども。



いざ壁にぶつかると
患者通しのつながりを
構築してこなかった現状を
悲観してしまう。

インターネットは仮想現実。
目の前が現実なのだと。

僕が調べた先の判断は
専門家である担当医に
委ねるしかない。

ただ背中を押してくれる
”つながり”を欲しい時が
こんな僕でもある。

何時間、画面に向かったところで
孤独は孤独に変わりない。

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通院と薬剤の選択整理

今日は通院日。

C型肝炎の服薬直後の診察。
これから半年間にわたり
経過観察をしていく。

一方でHIVは
薬剤変更を具体的に
これから決めなければならない。

C型肝炎は経過は順調であり
どちらかというと
HIVの治療に重点を置いた日であった。

ゲンボイヤ配合錠への変更を
僕は検討しているからだ。

今日は具体的な内容を
決める必要があった。



ゲンボイヤ配合錠の
腎機能と骨への影響が
軽減される点が僕は気になった。

ツルバダは腎機能に
影響を与えると言われている。

僕は尿酸値の値が
以前と比べると上がっている。
それだけに腎機能が心配であった。
今は良いだろうが
これから先はどうなのかと。

そのタイミングで
ゲンボイヤの販売があり
担当看護師から薬剤変更の打診を受け
僕は薬剤の変更を考えるに至った。

変更のタイミングを
担当医と看護師に相談をした。

販売はされたものの
病院への配備は
まだ先になるようだ。

年内には配備されるようで
合わせて切り替えも
年内で調整するつもりだ。



服薬の薬を整理した。

三年間飲み続けてきた
ウルソをやめる。
手元に三ヶ月分程あり
それを飲みきったらやめる。

胃薬のレバミピドの
服薬もやめる。
C型肝炎の抗ウイルス薬の服薬で
胃のむかつきがあった為
服薬を開始した。

まだむかつきはあるが
治っている実感はあり
次第に落ち着くだろう。
やめても大丈夫なはず。

頭痛薬のトラムセットは
胃が十分に落ち着いてきたら
服薬を中止していたカロナールを
服薬開始し減らすつもりだ。

入眠剤のゾルピデムは
1日1錠にしたいが
これはもう少し先で
しばらくは1日2錠だろう。

自律神経が整っていけば
これも1日1錠にできるだろう。
抗ウイルス薬の服薬が終わり
徐々に整うはずだ。



『使ってみたい抗ウイルス薬があれば
情報には詳しいようだから
逆に提案してもいいよ』
と担当医から告げられた。

今は受け身の治療ではないし
自分で決断しようと調べ判断している。

担当が告げた内容が
僕には合っているのかもしれない。
こちらから打診する姿勢が。

もう一つ気になる薬剤がある。
ダルナビル/コビスタット配合錠だ。

ツルバダの成分を残し
ゲンボイヤ配合錠を選ぶか

プリジスタナイーブの成分を残し
ダルナビル/コビスタット配合錠か。

自分には副作用がどう出るか?
将来への影響はどうか?
考えると答えは出ない。
実際に服薬し経過を診ないと
医者にも患者にもわからないから。

「さて、どれを選ぼうか」

5月の採血で血中から
HIVウイルスが検出されたようだ。

ここしばらくは
”検出せず”で順調に来ていただけに
この値が再度検出せずに落ちるのか
それとも増加に傾くのか
僕は気になっている。

ウイルスに薬剤耐性が
ついてきているのだろうか?

もし薬剤耐性があった場合
ダルナビル/コビスタット配合錠の
服薬条件から僕は漏れる。

耐性がついたかどうか
今段階では経過を見る必要がある。
それであればゲンボイヤが無難だろうか。

スタリビルドと大まかな成分は
この薬剤は変わらない。

スタリビルドの副作用を
調べておくべきだろうが
HIV抗ウイルス薬の副作用なんて
多すぎて判断がつかない。

地団駄踏んでも仕方がないが
HIV抗ウイルス薬服薬当初の
不安定さを知っているだけに
煮え切らない感情がどうしても残る。



何かを選択しなければ。

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僕がなぜ転院をしたのか

僕がなぜ転院をしたのか。



田舎になればなる程
病院は老人の為のものだ。
どんなに大きく綺麗に飾っても
その傾向はどうしても致し方ない。

若い世代が闘病をすると
“ズレ”を感じる時がある。
闘病と生活を考える割合の
生活の部分が大きくなるからだ。
もちろん仕事も含めて。

HIV治療を始めた当初は
地元の病院が提供する医療が
当たり前のものであったし
一般的なものだと考えていた。

大きくて綺麗な病院が
十分な医療を提供ができると
僕は信じていたのだろう。

家族。仕事。
生活リズム。気持ち。
闘病をすると生活レベルでの
問題が起きる。

その時に
『病院は治療する場所なので
生活での問題は個人で解決すべき』
とばかりにぽんと突き放される。

担当看護師の不在。
心理カウンセラーの不在。
知識のないソーシャルワーカー。

”チーム医療”
の存在を知った。

医師がいて自分がいる。
医師は治療の立場から物事を考える。
自分は生活の立場から判断していく。
医師と患者との意思疎通の誤差を
担当看護師が間に入り埋めていく。

患者が抱える社会的な問題解決を
ソーシャルワーカーが補助し
心理的な問題を
カウンセラーと共に考える。

自分を中心に
その四本の柱があり
治療を行なっていく。

今は当たり前のものであり
むしろ提供されるべきものであると
僕は考えている。

当時は地元の病院にはそれがなく
ないのが当たり前だったのだが。



患者会に参加した時に
チーム医療の存在を初めて知り
愕然としたのを今でも覚えている。

他の患者さんと自分の境遇の違いに
僕は転院を決意した。
今の自分にはチーム医療を受けるべきだと。

転院したのは正解だった。
視野を広げると共に
HIV患者でありながら
自分の中のHIVウイルスを拒絶する
無駄な時間が少なくて済んだと思っている。

最近、HIV闘病当初を
振り返る時が多い。

“転院”の内容も
合わせて振り返っている。

なぜ転院したかなんて
もう今更書く内容ではないのだが
なんだか今日は書いておこうと
文字を綴っている。

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プロフィール

ぽけんた

1982年生まれ、九州在住、HIV患者。2013年8月15日に〈いきなりエイズ〉を発症。闘病の記録と正直な気持ちを綴っています。見て頂いた方のお役に立てれば良いです。

服薬
【抗ウイルス薬】
ビクタルビ
【その他】
ネリゾナ軟膏
〔2023年1月現在〕
検査数値 (CD4・RNA)

〈2018〉
450ぐらい・検出値以下 (2/7)
〈2016〉
450ぐらい・29(5/25)
〈2015〉
369・検出値以下(6/8)
〈2014〉
269?・32(4/7)
169・20(3/10)
121・20(2/10)
〈2013〉
110ぐらい・74(12/16)
97・? (11/25)
81・460 (10/7)
155・4000 (9/13)
30・430000 (9/5)
48・? (8/15)
ぼやき
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