「どう面接で嘘つこうかな」

面接日はいよいよ明後日。

明日は通院で帰りが遅い為
面接で提出する書類を作成したり
何を言うか考えるのは今日までだ。

そんな準備の期日の今日になっても
僕は未だに面接時につく嘘の内容を
決めかねている。

どうHIVを隠していくのか。



“経過観察”

「肝臓の経過観察にしようか」
「肝炎の治療にしようか」
「血圧にしようか」
「肺炎予後の観察にしようか」

前回の面接の失敗を実感してから
"全く何も言わない"か
"それなりの理由を立てる"か
社会に出るにはどちらかが
必要であると気付いた。

離職してから空いた
長い期間を考慮すると
“それなりの理由を立てる”のが
懸命だと僕は考えている。

それなりの理由とは具体的に何か。

それを担当ソーシャルワーカーの方の
助言を元に僕は考えているが
一向に考えがまとまらない。
今ひとつ一歩踏み込む勇気が出ない。

考えがまとまろうがまとまるまいが
勇気が出ろうが出まいが
時間は有益でとうとう差し迫った。

残り時間はわずか。
それでも慎重に僕は決めなければ。



治療の進歩≠生活の安心

“ノットイコール”

見えない壁にぶつかる度に
僕はノットイコールのこの世界を
つくづく感じざるえない。

ケガをするような仕事ではない。
業務上で二次感染の可能性はほぼない。
感染症とHIVを分け隔てる必要はない。
HIVであっても業務に支障は出ない。

それでも

なぜ僕は面接でわざわざ嘘を
つかなければならないのだろうか。
嘘の内容を決めるのに
時間を浪費してそれでもなお
迷わなければならないのだろうか。
なぜHIVを患ったら
世界はノットイコールなのだろうか。

ノットイコール…
ノットイコール…
ノットイコール…

僕はいくらノットイコールを叫んでも
何一つ変わるものではなく
僕はその世界を受け入れるしかない。

僕がここで何を訴えも
目の前の世界は変わらない。

それを受け入れて
進むしか僕はないのだ。

一生懸命に嘘をつかねば生きられない
この世界はなんなのだろうか。

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