これが僕のHIVとの生き方

2013年8月にエイズを発症したHIV患者の闘病記です。日々の生活と素直な気持ちを綴っています。

仕事

弾けた葛藤と建前

GW初日。

今年のGWは
重みがある。

GWを一つの目安に
僕はしていた。

明けてから
しばらく経って
入院をする。

その為の
自分の成長の
一つの目安だと。



GWは連日仕事だ。
初日は始まり
忙しさにあっという間に
最終日になる。

ついにGWに
なってしまった。

まだ入院が
先のものだと
現実的に考える一方で
僕は空想のものだと
どこかで捉えてきた。

まだまだ先だと
何度も何度も。

仕事のレベルを
自分が納得出来る段階まで
引き上げてから
入院を迎えようと
いつしか考えるようになった。

無理をしてでも
自分が納得できないと
戦線から離れられない。



自分に何が足りないのか
冷静に分析をしている。
何をすべきかいつまでにかと。

しかしながら
今日は現場で
頭に血が上ってしまった。

口から言葉を放つと
次から次へと出てしまった。

上司のあまりのやる気のなさに
溜めていた感情が溢れてしまい
口先からこぼれ落ちてしまった。

本音と建前の
本音の部分が。

言わなければ無難に
過ごせたかもしれない。

見ないふりをして
やり過ごせば
それもありだ。

自分が一生懸命にやる一方で
懸命にやるべき場面で
やらない上司に腹が立った。



体の内部は健常者には
どうしても負ける。
不当な扱いを受ける場面もある。

HIV患者と健常者で
天秤にかけるとすると
健常者の方が下にさがる。

かるい重しを乗せていた皿の反対に
おもい重しを乗せた時に
一気にコトンと皿が
下まで落ちるように。

だからこそ
健常者には勝てるものは
勝っておきたい。

普段のその想いと
自分のレベルを定めた期限までに
最大限に上げなければならない焦りと
健常者である上司の適当さに
今日の僕ははじけてしまった。

あなたが何気なく
手に入れているものの代わりを
自分が手に入れるために
ここまでやっているのに。



どんな正論が自分にあっても
闘病は自分の問題であるがゆえ
その焦りから相手に言葉を
ぶつけるのは間違っている。

自分の主張は正論ではあったが
冷静になった時に
自ら謝るべきであった。

相手が反論できない程
追い詰める必要はなかった。

自分の闘病に
相手を巻き込みたくないと
僕は重々承知しているはずなのに。

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入院について職場で話し合う

『今は我慢しなさい』

そう言われ
一晩また考えた。

一流と二流を考えた時に
まさしく”我慢”だ。



先日、会社の専務と
総務課の課長と僕で
今後の入院の日程を話した。

“五月の上旬にするか
下旬から始めるか?”

“その間、現場はどうするのか?”

”通院日はどうするか?”

”仕事も治療も
どちらも精一杯やりたい”

そう伝えたところ
会社の日程に
僕が合わせるのではなく

僕の日程に
会社が合わせる旨を伝えられ
治療開始から終わりまでの
日程を明確にするように
命ぜられた。

話し合いの中で”我慢”
という言葉をかけられた。

体が大事ではある。
たった三ヶ月の治療ではあるし
二週間に一度
会社を不在にするだけだ。

仕事に対する熱意はわかるが
体の為に今は”我慢”しなさいと。

親に子供が諭されるようであった。



帰ってから考えた。

自分は健常者とは違い
体調管理に気を配っている。

それがあったから
ここまで仕事の土壌を
固められそれなりの信頼を得た。

だからこそ
治療と仕事をどちらも
優先で精一杯やれると
信じていた。

”どうだろうか?”
という疑問がわきでてきた。

“我慢”という言葉が引っ掛かり
疑問がわきでたのだろう。

以前に
”一流はコンディションにこだわる”
という内容を記した。

一流は体のコンディションにこだわり
仕事中に最高の力を
発揮できるようにする。
という内容だ。

80パーセントの力でも
他人と戦えるように
自分の能力を治療開始までには高めたいと
僕はこれまで我武者羅にやってきた。

しかしながら
自分にとっての80パーセントの力は
80パーセントの仕事の質であって
それは一流とは異なり”二流”だ。

まさしく”我慢”すべき時ではないか。

一歩上の仕事をする為の
準備期間と僕は割り切るつもりだ。



飛行機が車体を傾けて
滑走路に車輪を付けようとしている。

また到着地から
三ヶ月の肝炎治療という
旅に飛び立とうとしている。

HIVの抗ウイルス薬の
飲み始めの体が受け付けない感じ。
バリキサの発熱。
ジスロマックの腹痛。

高価な薬だけに
”複雑”というのは
身をもってわかっている。

知っているし乗り切ったから
今度も大丈夫、大丈夫と
何度も自分に言い聞かせる。

ここにしか
僕は本音を吐けない。

「それでも怖い」

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いよいよ入院の日程を決める

いよいよ入院の日程を決める。



一人で残業をしていたところ
総務課の課長が
僕の元へ訪れた。

先日有給の日数の
確認をお願いした後
それから数日経った会話が
今日であった。

詳しく心境や考えを
伺いたいのであろう。

皆が帰宅した後
僕は本音を話した。

健常者という嘘を外して
“病人”としての顔で。



”仕事”をしている時間は
僕の中で大きい。

体を優先すべきなのは
十分に理解している。

それでも“仕事での自分”を
おざなりにしてしまうのは
僕には腑に落ちない。

「仕事も治療も
どちらも獲りたい」
と僕は伝えた。

後日
専務と総務課の課長
直属の上司を踏まえ
具体的な話をする予定だ。

それにより
部署の戦力から外されても
それはそれで覚悟はしている。

しかしながら本心で
僕は納得できるのだろうか?



最近、気持ちが難しい。

肝炎治療の開始の日程が
迫るにつれて
不安が大きくなる。

何が不安なのか
明確にできないまま
ただ漠然と不安なのだ。

具体的な話を進めないと。

今回、面談の機会を
設けてもらったのは
きっと正しい判断だろう。

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仕事と闘病の計画

『業務を調整すれば良いから』

重役からの返答があった。

その言葉がぐるぐると
僕の頭を巡る。

どう転んでも
通るべき経過だと
僕は考えている。



先日、上司に
来年肝炎治療を
開始する旨を伝えた。

次の日に
上司から治療の旨を
重役に告げたと
聞かされた。

”治療も仕事も獲りたい”

この気持ちが僕は強く
直接重役に声をかけたいと
考えていた。

上司には伝え終わり
上司からも重役に一言
声をかけてはどうかと
提案があったので
僕は重役に声をかけた。

重役からは
業務は調整すれば良いからと
入院・通院を了解する
返答を頂いた。

通路ですれ違いざまに
声をかけたのもあり
後日総務の課長同席の元で
詳細を時間を掛けて
話し合うようになった。



来年は”治療”と”仕事”
どちらも精一杯やると
去年から決めていた。
自分が納得出来るように。

後日の話し合いの時には
気持ちを素直に
伝えてみようと思う。

その結果
会社の戦力の一線を
退くようになっても

それはそれで
自分の通る経過ではあるし
納得できるものだろう。

どうなるのだろうか?

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仕事の裏で考える治療

来年の入院や治療を
具体的に考えている。

考えても考えても
具体化できずに
時間だけが過ぎた。

自分の中で人選した結果
総務の課長に相談をした。

正しい判断を下せ
味方になってくれるであろうと
僕は直感的に信じたからだ。



盆休みの少し前から
職場の部署を移動した。

職場環境を改善する為に
人員の転換があった。

そこに僕が引っかかった。

社長室に呼ばれ
これからの展望を
具体的に告げられた。

役職者が揃う中
平社員は僕だけだった。

僕ありきの内容で
あったからだ

ステップアップした
業務内容を
こなさなければならない。

面白いポジションだと
僕は考えている。
毎日の仕事が
充実している。

来週からいよいよ
新体制を始める。



"肝炎治療を
いつにするか"

入院があって
そこから治療を始める。

仕事は一歩一歩確実に
階段を上る中で
肝心の治療は
何一つ決められずにいた。

治療ありきの
仕事だと考えると

来年は入院があって
治療開始があって
仕事もあるようにしたい。

暗闇で手探りで
物を探すように
総務の課長に先日
入院と治療の旨を相談した。

傷病手当の内容に話が傾いて
しまったのだけれども
一言相談できてよかった。

入社時に肝炎の旨を
伝えておいて助かった。

それがあっての
今回の相談であったはずだ。



来年は仕事も治療も
どちらも取ると強く決めている。

決心しているのならば
進むべきなのだろう。

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プロフィール

ぽけんた

1982年生まれ、九州在住、HIV患者。2013年8月15日に〈いきなりエイズ〉を発症。闘病の記録と正直な気持ちを綴っています。見て頂いた方のお役に立てれば良いです。

服薬
【抗ウイルス薬】
ビクタルビ
【その他】
ネリゾナ軟膏
〔2023年1月現在〕
検査数値 (CD4・RNA)

〈2018〉
450ぐらい・検出値以下 (2/7)
〈2016〉
450ぐらい・29(5/25)
〈2015〉
369・検出値以下(6/8)
〈2014〉
269?・32(4/7)
169・20(3/10)
121・20(2/10)
〈2013〉
110ぐらい・74(12/16)
97・? (11/25)
81・460 (10/7)
155・4000 (9/13)
30・430000 (9/5)
48・? (8/15)
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