眠れない
通院日の前日はどことなく気持ちが落ち着かない。
いくら10年以上もうまく健常者に擬態できても
次の日は間違いなく病人であるからである。
今日は通院日。
内科と消化器内科。
AIDSで肺炎を発症したゆえ
肺のレントゲンを年1回撮っているのだが
結果も血液検査・肝機能・ウイルス量も良好であった。
経過観察というところだろうか。
家族に介助されながら来た人
作業着でこれから仕事に向かうであろう人
車椅子でヘルパーに押してもらっている人
母親に手を繋いでいる人
一般人と変わらず元気そうな人
県で一番大きな病院ゆえ
外来ながら年齢性別容姿さまざまな人を目にし
待ち時間で椅子に腰掛けている間は
耳に入る話の内容から
どういう人なのか勝手な想像をしたりする。
人間観察。
HIVの担当医から
最寄りの病院へ通う選択肢もあると打診を受けた。
『以前通われていた◯◯病院の専門の◯◯先生
いらっしゃったじゃないですか。
あの方が退任して今は別の医者に変わったんですよ。
◯◯先生が合わなかったからこちらに来てるでしょ。
通院も遠方なので負担なら紹介もしますよ』と。
今現在の病院は自宅から車で1時間40分かかる。
その負担を考えての打診なのである。
“時間は限りがある”
「高度医療を受けているこの時間を
僕よりも必要としている人に
そろそろ明け渡すべきじゃないかと
僕は思うんです」
率直に思うところを僕は伝えた。
県で最も手厚い高度医療を受けている。
これだけ安定して経過観察にも関わらず。
見合ってないんじゃないか。
背に腹は変えられない。
優先は自分自身であり
ベストな選択をすべきである。
そう思って選択し続けるが
それでもなお何かが引っかかって
通院前日にプレッシャーに押しつぶされるのは
このあたりの負目じゃないのか?
ベストだと思いたい選択肢が
良心に従ってないせいでは?
ただ問題があって
親族が病院関係者に多い。
転院先になる病院にもいたはずである。
ここは慎重に考えなければならない。
HIV患者ならではの
負目や極秘は
何年立っても壁である。
通院日の前日はどことなく気持ちが落ち着かない。
いくら10年以上もうまく健常者に擬態できても
次の日は間違いなく病人であるからである。
今日は通院日。
内科と消化器内科。
AIDSで肺炎を発症したゆえ
肺のレントゲンを年1回撮っているのだが
結果も血液検査・肝機能・ウイルス量も良好であった。
経過観察というところだろうか。
家族に介助されながら来た人
作業着でこれから仕事に向かうであろう人
車椅子でヘルパーに押してもらっている人
母親に手を繋いでいる人
一般人と変わらず元気そうな人
県で一番大きな病院ゆえ
外来ながら年齢性別容姿さまざまな人を目にし
待ち時間で椅子に腰掛けている間は
耳に入る話の内容から
どういう人なのか勝手な想像をしたりする。
人間観察。
HIVの担当医から
最寄りの病院へ通う選択肢もあると打診を受けた。
『以前通われていた◯◯病院の専門の◯◯先生
いらっしゃったじゃないですか。
あの方が退任して今は別の医者に変わったんですよ。
◯◯先生が合わなかったからこちらに来てるでしょ。
通院も遠方なので負担なら紹介もしますよ』と。
今現在の病院は自宅から車で1時間40分かかる。
その負担を考えての打診なのである。
“時間は限りがある”
「高度医療を受けているこの時間を
僕よりも必要としている人に
そろそろ明け渡すべきじゃないかと
僕は思うんです」
率直に思うところを僕は伝えた。
県で最も手厚い高度医療を受けている。
これだけ安定して経過観察にも関わらず。
見合ってないんじゃないか。
背に腹は変えられない。
優先は自分自身であり
ベストな選択をすべきである。
そう思って選択し続けるが
それでもなお何かが引っかかって
通院前日にプレッシャーに押しつぶされるのは
このあたりの負目じゃないのか?
ベストだと思いたい選択肢が
良心に従ってないせいでは?
ただ問題があって
親族が病院関係者に多い。
転院先になる病院にもいたはずである。
ここは慎重に考えなければならない。
HIV患者ならではの
負目や極秘は
何年立っても壁である。